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Diary of Pachinko & Alcohol & Tennis & Surf

Mr.X Ⅵ

「第六話」

<魚市場と仙人>

 兄弟は、完全なるマツタケの前で、ソワソワしている。
「おい!コン!! こんな大きいマツタケ初めて見たよ。末端価格にすると
いくらになるんだ!?」
「どこに売ればいいんだ!?」
と、ロケットの事は眼中にないようだ。
 コンはそれが、ロケットであることを強く願っているが、どうみてもマツタケだ。
森を抜け、だだっ広い野原の真ん中にそれは生えている、いや置いてあるのか。
直径で3mはあるだろうか。
てっぺんまでは、5m位ありそうで、少し左に傾いてるようだ。
 マツタケではないという確証さえつかめば、いいのだが・・
「わかった!兄さん 臭いを嗅げば、これがマツタケなのかロケットなのかわかるんじゃ ないか!?」
 「うるさいなぁ~ お金の計算してるんだよ~ 横でロケットの話なんかやめてくれよ!」
ダンはぶつぶつ言っている。
 「なんでも鑑定団かな!?八百屋さん!?永谷園とか!?」
コンは、ダンの事をあきらめて マツタケの臭いを嗅ぐ事にした。
鼻の穴をはちきれるばかりに広げ、少しづつ近づいている。
次第にマツタケではない臭いに気がついていった。
それも、どこかで嗅いだことのある臭いだ。
「やっぱりロケットだ!!」 コンには珍しく声高々に放った。
「でも、この臭いなんだろ・・・身近な臭いという気もするし、懐かしい臭いとも・・・」 どちらにしろマツタケの臭いはしない。
 その時、それを売りさばく 段取りを頭の中で描き終わったダンが何かに気付いた。
それは、マツタケの根もとに落ちている、銀杏だ。
「コン こんな所に銀杏が落ちているぞ!」
コンはダンのいる所に、「銀杏なんかどうでもいいじゃないか」と、近付いた。
 コンが近付くにつれて、あの臭いも強くなっている。
臭いの正体はこの銀杏であった。
 ダンもコンも銀杏の事より、マツタケ売買、ロケットの事で頭がいっぱいだ。
「あ~臭い! こんな物 エイ!」 ダンは銀杏を軽く上に投げ、落ちてきた銀杏をボレーシュートで遥か 草むらに蹴りだした。
 コンはその臭いの事を考えていた。「ん~~なんだろ あの臭い・・・」
「あ~~~~~!!! 思い出したぞ!!」
「あの臭いは、兄さんの部屋の臭いだ!!」
「扉を開けた瞬間に臭う 魚市場の香り」 コンが続く。
 
 「兄さんいまの銀杏は、 に に 兄さんの左片玉だよ~~」

ダンは信じられない形相で「ええええ~ ボレーシュート しちゃったよぉ~」 と言いながら、泣きながら、左片玉と確信し、落ちたであろう場所に向かい 探し出した。
左片玉を見つけだすのは 簡単であった。
魚市場臭がするのだから。
これで、ダンのキャンタマ達は寄り添い、連れ添う事ができた。
ダンは号泣している。
コンは安堵の笑みを浮かべ、心から、良かったね兄さんと。

 そんな兄弟を背に、
あのマツタケがのそのそ動いている。
「なんだ なんだ!」と兄弟。
その動きは激しさを増し、破裂しそうになっていた。
膨張しているような、中でなにかが暴れているような。
「うわ うわ~~!!」 なんと中から人が出てきたのである。

「うるさいでシコー、寝ているところを起こさないでシコー」
マツタケの中から人が・・・
兄弟は完全に腰を抜かしていた。
「誰だ 誰だシコー。」 そのマツタケからでてきた爺ちゃんが、腰を抜かした兄弟に気付いた。
「お お前らは亀頭兄弟ではないかシコー!」

 兄弟はゆっくり腰をあげ、「なんで僕たちの事を!?」
爺ちゃんは眠気まなこを 手でこすりながら、語りだした。
 「わしはシコシコ仙人じゃ。 詳しいことはズルムケに聞いておる」
「火星に行くんじゃろシコー」
兄弟は首を何回も縦にふり 声にならない返事をしていた。
 物事はあっけなく、進んでいった。
「おい兄弟さんよー このロケットのてっぺんに登るシコー」
「は はい」兄弟は状況をいまいち飲み込めないまま、ロケットのてっぺんによじ登っていた。
 登ってみると、てっぺんには長細い穴が開いている。
「おーい お前らは、そこで仁王立ちしてるだけでいいシコー」
「は はい」兄弟は状況を飲み込み始めていた。
「兄さん、とうとう 火星 に行けるんだ」
「そうだな コン・・・」

シコシコ仙人は、その杖をロケットに押し当て、不思議な踊りをしている。
「シコ シコ シコール」「シコ シコ シコール」「シコ シコ シコール」
「シコ シコ シコール」
その後、杖を上下になすり始めると、ロケットには青い筋が浮かび上がっていく。
ガンジス川の流れのように。
兄弟はただただ、空を見つめている。
「シコ シコ シコール」「シコ シコ シコール」 「ガーーマン ジーール」
杖のなすり具合も柔らかく、よりスピーディーになっていく。
「シコーー   シコーー    ピコール~~~~」
とその瞬間、兄弟が仁王立ちしているてっぺんから半透明の液体が兄弟を包み込み、遥か空へ向かって 発射された。
 半透明の液体IN兄弟は火星へ向け ものすごいスピードで上空を通過していく。 「グッバイ シコシコ仙人」

 やがて、宇宙に出たようだ。
月では本当にウサギが餅をついている。
「兄さん とうとう ここまで来たんだよ!!」コンの目には涙が溢れていた。
ダンはそれどころではなく、月に信じられないものを見つけていた。
半透明の液体の中からそれは、十分見えたのであった。
 「団子の輪島 製造工場」 看板まで見えている。
                              

                           続く
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by takaflyday | 2007-10-30 11:19 | Other